競馬でインブリード、アウトブリード等の意味は?ニックス&奇跡の血の意味も教えてください

種牡馬と繁殖牝馬を組み合わせ、新たな牡馬・牝馬が誕生することを「配合」と言います。

「一番速い牡馬」「一番速い牝馬」を配合させる「ベスト・ツゥ・ベスト」が鉄板であり、日本国内も同じ方法で成長しました。

近代競馬を見ると、全てがベスト・ツゥ・ベストではなく「インブリード」や「アウトブリード」さらには「奇跡の血」と呼ばれる馬達がいるのです。

インブリードやアウトブリード等は何か?意味や代表産駒を紹介しましょう。

目次

【インブリード】5代以内に同一馬が配合されている競争馬

インブリードとは「近親交配」であり「5代以内に同一馬が配合されている」競走馬を指します。

インブリードを行うことで、父親・母親それぞれのマイナスポイント(馬体重、性格、筋肉量等)をなくす。

または、血統が持つプラスポイントを子供に引き継がせる等、多くのメリットがあるのです。

反対に「性格の悪さが出た」「馬体重が増えない(太りやすい)」「虚弱体質」等、デメリットも出ます。

血が濃くなりすぎるのを防ぐために、繁殖牝馬選びで手間取ることも短所です。

インブリードで誕生した名馬を一例ですが紹介しましょう。

  • ゴールドシップ(Princely Gift:5×5 Northern Dancer:5×5)
  • ブエナビスタ(Nijinsky:3×4 Hail to Reason:4×5 Turn-to:5×5)
  • コントレイル(Fappiano:4×5)
  • アーモンドアイ(Nureyev:3×5 Northern Dancer:4×5)

【アウトブリード】5代以内に同一馬が配合されていない競走馬

アウトブリードとは「異種交配」であり「5代以内に同一馬が配合されていない」競走馬を指します。

アウトブリードでは、別の血統を入れることで能力の向上や体質強化…等々を目的に行われます。

また、血が濃くなるのを防ぐのもメリットです。

アウトブリードで有名なのは「メジロマックイーン」や「サンデーサイレンス系」です。

天皇賞親子連覇を果たし、ゴールドシップのおじいちゃんでもあるメジロマックイーンは、5代以内に同一馬が配合されていません。あくまでもメジロ系でまとめた血統です。

一方、サンデーサイレンスは様々な繁殖牝馬と配合し「フジキセキ」や「マンハッタンカフェ」をはじめ、近代競馬の最高傑作「ディープインパクト」まで産まれました。

昨今の競馬を見るとアウトブリードは難しく、日本国内では海外から種牡馬&繁殖牝馬を輸入するほど厳しい状況です。

ハービンジャーやパイロと言った、非サンデーサイレンス系の種牡馬でないとアウトブリードはほぼ不可能です。

【ニックス】種牡馬と繁殖牝馬(父系)の相性が良い|何度も名馬を輩出する配合

ニックスとは、種牡馬と繁殖牝馬(父系)の相性が良く、何度も名馬を輩出する配合を指します。

一例として「ディープインパクト×ストームキャット」「ディープインパクト×フレンチデピュティ」が挙げられます。

  • ストームキャット(父系):キズナ、ラブズオンリーユー、ダノンキングリー、リアルスティール等
  • フレンチデピュティ(父系):ショウナンパンドラ、マカヒキ、カデナ、メイショウテンゲン等

【奇跡の血量】共通祖先の血量が18.75%|究極の血量もあり

インブリードの中でも、共通祖先の血量が「18.75%」ある馬を「奇跡の血量」と言います。

血量の計算を簡単に紹介します。

  • 2代前:各25%
  • 3代前:各12.5%
  • 4代目:各6.25%

例えば、3代前、4代前に同じ血統がいれば「12.5%+6.25%」になるので「18.75%」になります。

(競馬雑誌や情報誌では「3×4」または「4×3」等の表記が多いです)

科学的に証明されていませんが、奇跡の血量を持つ馬は名馬が多く、たとえば以下の馬達が挙げられます。

  • エルコンドルパサー:Northern Dancer 3×4、Native Dancer 4×5、Special 4×4
  • エネイブル:Sadler’s Wells 2×3、Nearctic 4×5×5、Hail to Reason 5×5
  • フサイチコンコルド:Northern Dancer 3×3、Hail to Reason 4×5
  • オルフェーブル:ノーザンテースト 3×4
  • ブエナビスタ(Nijinsky:3×4 Hail to Reason:4×5 Turn-to:5×5)

この他に、2020年の三冠牝馬「デアリングタクト」もサンデーサイレンスの「4×3」を持っています。

名馬を多数輩出する一方、血が濃すぎることの弊害も出てきます。

たとえば「フサイチコンコルド」の場合、わずか3戦で日本ダービーを制覇するものの、その後は2戦で引退。

「デアリングタクト」も療養中であり、復帰の目途が立たないなど、奇跡の血量の弊害が出ています。

とは言え、実績を出しているのは事実であり、今後も排出されるでしょう。

もしかしたら、日本ダービーやオークス等のクラシックやG1レース等に、奇跡の血量の馬が出てくるかもしれませんよ。

まとめ

競馬は「ブラッドスポーツ」と呼ばれるほど、血統が大事なスポーツです。

そのためアウトブリードの他に、優秀な馬を配合するインブリード、さらには奇跡の血量等の競走馬も排出されます。

また、血統を見ることで昔応援した競走馬の子供、または孫が見られるのも楽しみの1つです。

競馬を馬券を当てる以外にも、血統を見て「〇〇の馬だな」「2世代前、3世代前に△△がいるのか!」等を探すのも、楽しみの1つですよ。

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